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美容鍼、実は睡眠の質も上がるって知っていましたか?

  • 執筆者の写真: はりきゅう堂 静
    はりきゅう堂 静
  • 6月7日
  • 読了時間: 4分

美容鍼というと、「顔に鍼を刺してリフトアップ」「肌のハリを取り戻す」というイメージが強いですよね。それ自体は間違いじゃないんですが、最近の研究でちょっと面白いことが分かってきました。


美容鍼、寝る前の顔の筋肉を緩めることで睡眠の質まで変わってしまうかもしれない、という話です。


「寝ても疲れが取れない」と「顎のこわばり」の意外な関係


朝起きたときに「なんか顎がだるい」「歯を食いしばってた気がする」と感じたことはありませんか?


それ、単なる癖ではなくて、睡眠の質そのものに関係している可能性があります。


私たちの顔には<咬筋(こうきん)>という、噛むときに使う強力な筋肉があります。この筋肉、日中だけでなく寝ている間も無意識に緊張し続けることがあるんですね。


問題はここからで、咬筋や側頭筋が過緊張状態だと、交感神経が優位になりやすく、深い睡眠(ノンレム睡眠)に入りにくくなることが知られています。つまり、


顔の筋肉がこわばっている → 寝つきが悪い/眠りが浅い → 翌日も疲れが取れない → さらに筋肉がこわばる


という負のスパイラルができあがるわけです。


さらに意外なのが「オトガイ筋」


顎の先端にあるオトガイ筋(あご先の筋肉) という小さな筋肉、名前を聞いたことがある人は少ないかもしれません。


実はこの筋肉、睡眠の判定に使われるほど睡眠と深い関係にあります。睡眠ポリグラフ検査(PSG)では、オトガイ筋の筋電図を測ることでレム睡眠かどうかを判定するんです。


なぜか?


レム睡眠中は全身の骨格筋が脱力するのが正常な状態だからです。PSGでオトガイ筋の筋電図を測るのは、「レム睡眠中にちゃんと脱力できているか?」を確認するためなんですね。逆に、レム睡眠中にオトガイ筋の筋緊張が残っている場合は異常で、レム睡眠行動障害(RBD) が疑われます(これは夢に合わせて体が動いてしまう疾患で、パーキンソン病の前駆症状としても知られています)。


つまり、オトガイ筋が日中から緊張しっぱなしの人は、夜になってもその緊張が抜けきらず、睡眠の質が下がる可能性があるということです。


ここに鍼がどう効くのか


美容鍼で行う施術は、顔の表情筋に直接アプローチして血流を改善し、筋肉の緊張を緩めます。


咬筋や側頭筋、オトガイ筋が鍼で緩むとどうなるか。


  1. 副交感神経が優位になる — 筋肉の緊張が取れると、脳が「安全だ」と判断してリラックスモードに切り替わる

  2. 寝つきが良くなる — 入眠時の交感神経活動が低下

  3. 深い睡眠が増える — オトガイ筋の過緊張が取れることで、レム睡眠時に本来あるべき脱力状態に入りやすくなる

  4. 成長ホルモン分泌が促進される — 深い睡眠が増えると、肌の修復に欠かせない成長ホルモンの分泌も上がる

  5. 肌質が改善する — 睡眠の質が上がることでの相乗効果


つまり、美容鍼は「顔に直接効く」だけでなく、「睡眠を介して間接的に肌を整える」という二段構えの効果が期待できるわけです。


データでも示され始めている


2025年の研究レビュー(山崎翼, 明治国際医療大学)でも、顔面の筋緊張を緩めることがセロトニン代謝や脳波に影響し、良質な睡眠→ホルモン分泌→肌状態の改善につながる可能性が指摘されています。


また、咬筋の圧痛と睡眠の質(PSQIスコア)に有意な関連があることも報告されています(咀嚼筋痛障害の研究より)。咬筋が張っている人ほど睡眠の質が低い傾向がある、というデータです。


さらに面白いのが、最近注目されている腸皮膚相関(ちょうひふそうかん) という考え方。皮膚の状態と腸内環境が相互に影響し合うというものですが、良質な睡眠が腸内フローラを整え、それがまた肌のバリア機能を高める…という循環も見えてきています。


つまり美容鍼は「顔→全身→睡眠→腸→肌」という、思いもよらないルートで効いている可能性があるんです。


もちろん即効性を期待しすぎないで


とはいえ、「1回やったら今夜からぐっすり」というわけにはいきません。


自律神経や睡眠のパターンは長年の習慣でできているもの。筋肉の緊張を根本的に変えるには、ある程度の継続(週1回×数週間〜数ヶ月)が必要でしょう。


ただ、「顔のための施術」が「全身の休息の質」にも影響するかもしれない、という視点は、美容鍼の新しい魅力として知っておいて損はないんじゃないかなと思います。



というわけで、美容鍼。見た目の変化だけじゃなくて、その裏でじわじわと睡眠の質にも作用しているかもしれないというお話でした。



参考文献・参考資料


  • 山崎翼「美容鍼灸の多様な可能性について」ハリトヒト。2025.

  • 咀嚼筋痛障害と睡眠障害の関連性(J Stage, 顎関節誌 28(3): 232-240)

  • Blasco-Bonora PM, Martín-Pintado-Zugasti A. Effects of myofascial trigger point dry needling in patients with sleep bruxism and temporomandibular disorders. Acupunct Med. 2017;35:69-74.

• ⁃ Dib-Zakkour J, et al. Effectiveness of Deep Dry Needling on the Masseter Muscle. Medicina. 2022;58:256. 静はりきゅう堂 | 大阪市内にて美容鍼・一般鍼灸・体リメイク鍼を提供 眼精疲労・慢性頭痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。© 2026 静はりきゅう堂

 
 
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