
育毛鍼について
発毛サイクルについて
男性の毛髪は通常2~5年、女性の毛髪は4~6年で発毛サイクルが完了し、その後脱毛が進行します。この発毛サイクルに異常が生じることで、成長期毛性脱毛症および休止期性脱毛症といった脱毛症が引き起こされます。通常1日に70本から80本は正常の脱毛量ですが、それよりも多くなると脱毛症となります。東洋医学においては、髪の毛は血余(けつよ)と呼ばれ、血の余剰分が毛髪に変換されるとされています。精神的なストレスは血を消費し、脱毛を引き起こすと考えられています。
鍼灸療法技術ガイドⅡp.415

薄毛について
薄毛の頭皮は次のようなことが研究によって明らかになっています。1)正常な頭皮と比較して血流が低下していること2)正常な頭皮と比較して約2.6倍低い血流 3)薄毛の頭皮は、通常の頭皮と比較して薄く硬くなっている
2021年に日本の研究チームによって発表された研究では、様々な症例において、頭皮の緊張部位と脱毛進行部位がAGAにおいても一致することが示されました。
AGAにおいては、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、DHTが毛包に作用して脱毛を引き起こすとされています。しかし、頭皮が緊張によって圧迫されると、炎症と認識され、炎症を鎮めるためにジヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)が送られます。DHEASは組織にTGF-β1というタンパク質を放出するシグナルを送り、このタンパク質は繊維症を引き起こすことが知られています。その結果、瘢痕組織が様々な場所に形成され、血流不足が生じ、瘢痕組織によって圧迫されることで、頭髪の発毛と成長が妨げられ、毛包が退化することが示唆されました。
また、筋肉の緊張を軽減することで悪循環を断ち切ることができるのではないかという研究も行われており、頭皮の筋肉に筋弛緩剤を注入する実験が行われ、頭の筋肉を弛緩するだけでも発毛効果が確認されました。つまり、頭皮の硬さと血流不足は、脱毛の主要な原因であると考えられるわけです。
脱毛の起こる有力メカニズム

育毛医療について
ミノキシジルは、血流を増加させることで血圧を低下させます。ミノキシジルを頭皮に塗布すると、塗布後1時間で血流が2倍に増加することが確認されています。(上記⑦の過程に関与)
赤色光療法 赤色光療法は、特定の波長の光が細胞のミトコンドリアを活性化させ、血流を増加させ細胞への酸素供給量を増やす効果があります。(上記⑦の過程に関与)
マイクロニードリングは、瘢痕組織の正常化することで頭皮の繊維化を防ぐ(⑤に関与)
PRP療法 は、血液から血小板を含む血漿成分を濃縮し、注入することで組織の修復力(成長因子)を活用した治療法です。2024年に実施されたランダム比較試験では、1平方センチメートルあたり平均27本の発毛が確認されました。しかし、効果が高い反面、治療費は1回15万円程度で、数十回の繰り返しが必要となるため、総額は100万円を超える可能性があります。上記⑤⑦の過程に関与)
フィナステリド・デュタステリドDHTを減少させることにより瘢痕化を防ぎます(上記③に関与)
植毛について
植毛した毛髪は、ジヒドロテストステロンの影響を免れると考えられてきましたが、研究によると、移植後4年経過時点で移植した毛髪の量を維持しているのはわずか9%に過ぎません。これは、移植後もフィナステリドの服用を継続しなければ、男性型脱毛症が進行する可能性があることを示唆しています。
円形脱毛症について
円形脱毛症の発症には、ストレスや遺伝的要因など様々な要因が関与していると考えられていますが、近年注目されているのは自己免疫機序による毛球の破壊です。この自己免疫機序には遺伝的要因が関与しており、2020年には円形脱毛症の関連遺伝子(CCHCRI遺伝子)が特定されました。円形脱毛症の遺伝的要因は、発症の30%~40%を占めているとされています。
脱毛の進行を抑え、発毛を促すためには
1)頭皮を支える筋肉の慢性的緊張を和らげる
2)頭皮の繊維化を改善する(頭皮の再構築化)
これらのステップは、効果が現れるまでに少なくとも半年かかりますが、抜け毛の連鎖反応を断ち切ることで、脱毛の改善につ
ながります。
3)DHTをブロックする(軽度の場合は必須ではありません)。
現在行われている治療方法は、抜け毛の連鎖反応においては根本治療ではありませんが、非常に効果的であるとされています。実
際の根本治療は1と2の頭皮の筋緊張を緩和し、血流を改善し、繊維化を改善することだと言われていますが、理想的には薬物療
法とともに鍼灸を併用することで、最大限の効果を発揮することができます。
当鍼灸院では、現在薬物治療を受けられている方にも、受けられていない方にも、抜け毛サイクルの最初の原因を取り除き、根本
原因にアプローチすることができる頭皮鍼、鍼通電、赤色光療法を提供しています。また、鍼治療は身体とメンタルにも良い影響
を与え、脳内のセロトニンの量が増加することもあり、リラックス効果も育毛には非常に大切な要素であると考えています。これ
により、頭皮の状態を正常に近づけることができます。
ただし、薄毛は長い年月をかけて進行しているものなので、その回復にも時間がかかります。マッサージであれ、ミノキシジルで
あれ、鍼であれ、効果が現れるまでに少なくとも半年はかかると言われています。抜け毛治療は根気が必要ですが、残念ながら大
抵の方は途中で諦めてしまうことになります。セルフケアも含めて、発毛まで一緒に頑張っていきましょう。
鍼灸と同時におすすめのセルフケア
1)頭皮に負担がかかる砂糖を極力控えること
2)亜鉛とビタミンDを摂取する
3)天然のノコギリパルメット、カボチャの種、ペパーミントオイル、ローズマリーオイル、レ
バー、紫オニオン、などを利用する。
4)毎日のマッサージと2週間に1度のマイクロニードリング
5)毎日の頭皮マッサージ
当治療院では、患者さん一人一人に合わせて必要なセルフケアについての情報を提供しています。
光シャワーについて
特定の波長の光によって肌細胞のミトコンドリアが活性化され、エネルギーが生成されることで、美肌や発毛に効果が高いことが、多くの研究により明らかになっています。近年では、この光治療は視力回復治療としても眼科で用いられています。
効果のビフォーアフターは、外部サイトですが、参考にご覧ください。
https://www.celluma.com/pages/led-red-light-therapy-before-and-after-results?srsltid=AfmBOoqFDiIXKkY32hkZGnNUe9SFcwdlr-TM2y3qNRiEHOKSbX2a2RZU
Efficacy of Minoxidil Combined With Photobiomodulation for the Treatment of Male Androgenetic Alopecia. A Double-Blind Half-Head Controlled Trial ・The efficacy of light-guiding microneedle patch for stimulating hair growth in androgenetic alopecia ・画像:cellumaled-red-light-therapy-before-and-after-resultより
