それって鍼で改善する?病院に行くべき??(生理痛・月経前の不調編)
- はりきゅう堂 静
- 6月12日
- 読了時間: 4分

「病院に行くほどじゃない気がするけど、でも何とかしたい」
「鍼灸に行ってみようかな……でもこれって鍼で良くなる症状なの?」
こうした迷いを持つ方は、とても多いです。特に慢性的な不調ほど「病院に行くほどではない」と思いがちですが、中には放置すると危険なサインが隠れていることもあります。
鍼灸師は、解剖学・生理学・臨床医学など、西洋医学の基礎もしっかり学んでいます。そのため、「この症状は鍼灸で対応できるか」「これは医療機関を勧めるべきか」という判断も、安全な施術を行うための大切なスキルとして身につけています。
しかし、何より大切なのは、鍼灸院に来る前に、ご自身で危険なサインに気づけることです。手遅れになってからでは取り戻せないこともあります。
そこでこの記事では、よくある症状ごとに「これは病院へ」「これは鍼灸で対応できる」の判断基準をまとめました。病院と鍼灸を上手に使い分けるための参考にしてください。
なお、ここでいう「病院」とは、症状に応じた診療科(内科・整形外科・脳神経内科など)を受診することを指します。急を要する場合はためらわずに救急車を呼んでください。
5. 生理痛・月経前の不調
こんな症状です
生理痛(月経困難症)
生理の前後から下腹部や腰に痛みを感じる状態。痛みの程度は人によって大きく異なり、軽い違和感から動けなくなるほどの激痛まであります。吐き気や頭痛、下痢などを伴うことも多いです。原因としては、子宮の収縮を促すプロスタグランジンという物質の過剰分泌が関わっています。
PMS(月経前症候群)
生理の3〜10日前から現れる、イライラ・落ち込み・眠気・むくみ・乳房の張りなどの症状。生理が始まると軽快するのが特徴です。
こんな時はすぐに病院へ
痛みが市販の鎮痛薬で全く効かない、または日に日に悪化する → 子宮内膜症・子宮筋腫の可能性
生理用ナプキンが1時間ももたないほどの大量出血 → 子宮筋腫・機能性出血の可能性
生理中でないのに激しい腹痛がある → 卵巣茎捻転・子宮外妊娠の可能性
38度以上の発熱を伴う → 骨盤内炎症性疾患の可能性
生理と関係なく下腹部にしこりを触れる → 卵巣嚢腫・子宮筋腫の可能性
急に生理周期が乱れた、または閉経後の出血 → 子宮体がんの可能性
痛みで学校や仕事に行けない状態が毎月続く → 子宮内膜症の可能性
妊娠の可能性があるのに激しい腹痛がある → 子宮外妊娠の可能性。すぐに救急外来へ
→ 婦人科を受診してください。
鍼灸で対応できる場合
検査で器質的な病気(子宮筋腫・子宮内膜症など)が見つからず、機能性の生理痛と診断された場合、または器質的な病気があっても手術が必要なレベルでなければ、鍼灸は痛みに対して有効な選択肢のひとつです。
機能性月経困難症
鍼には骨盤内の血流を改善し、子宮の過剰な収縮を鎮める作用があります。生理痛の度に鎮痛薬に頼りたくない方、薬の副作用(胃痛・眠気)が気になる方に向いています。周期に合わせて定期的に鍼灸を行うことで、痛みのピークが和らぐことが期待できます。
PMS(月経前症候群)
鍼灸にはホルモンバランスの乱れを直接整えるわけではなくても、自律神経を調整し、ストレス反応を和らげることで、イライラや気分の落ち込み、不眠などの精神症状を和らげる効果が期待できます。生理前に必ず鍼灸を受けておくことで、症状を穏やかにする予防的な使い方もできます。 この記事では「病院へ行くべきサイン」と「鍼灸で対応できるケース」をまとめています。大切なのは「病院と鍼灸は二者択一ではない」ということです。病院で必要な検査と診断を受けた上で、「これ以上は異常がない」「慢性的なもので鍼灸が合いそうだ」と判断されたら、鍼灸を治療の選択肢として取り入れる。そういう使い分けが理想的です。
「病院に行くべきか鍼灸に行くべきか」迷ったときは、まずこの記事のレッドフラッグに該当しないか確認してみてください。レッドフラッグがなければ、鍼灸で試してみる価値は十分にあります。ただし、鍼灸を試しても改善しない場合や悪化する場合は、改めて医療機関を受診するようにしましょう。
※この記事の情報は医療アドバイスを目的としたものではありません。症状が続く場合や不安な場合は、必ず医療機関に相談してください。

